◆経理の仕事の流れ~日常業務から月次決算まで~

◆経理の仕事の流れ~日常業務から月次決算まで~

経理とは、企業の財務を管理し、収支のバランスをとる重要な部門の一つです。経理担当者は、日々の業務から月次決算までのプロセスを管理し、会社の健全な経営を支えています。この記事では、経理担当者の日常業務から月次決算までの業務の流れを紹介します。

 
この記事はこんな方におすすめ!

・企業の経理部門に興味のある方
・経理担当者として働いている方
・会社の財務管理や収支のバランスに興味のある方
・月次決算のプロセスについて知りたい方

経理の日常業務

経理の日常業務には主に下記のものがあげられます。

 

伝票処理と帳簿作成

伝票処理は、企業の経理業務において重要なステップです。取引の内容を記録し、会計帳簿に反映させるための作業です。具体的な伝票の種類は、売上伝票、仕入伝票、経費伝票などがあります。伝票には、取引の日付や金額、関連する勘定科目などの情報を記入します。これらの伝票をもとに、総勘定元帳や各種帳簿を作成します。帳簿は、企業の財務状況を把握するために必要な記録です。

 

取引先とのやり取りと支払い管理

経理部門は、取引先とのやり取りや支払い管理も担当します。これには、発注書や納品書の作成、請求書の受け取りと処理、支払いスケジュールの管理などが含まれます。取引先との円滑なコミュニケーションや支払いの適時処理は、良好なビジネス関係の維持に欠かせません。

 

現金管理と銀行取引

企業の現金管理は、経理部門の重要な業務です。これには、日常の現金出納管理や小口現金の管理、銀行口座の取引記録の管理などが含まれます。現金の受け入れや支払い、銀行への預け入れや出金などを適切に管理することで、企業の資金状況を把握し、適切な資金計画を立てることができます。

 

請求書の発行と債権管理

請求書の発行と債権管理は、経理部門の重要な業務の一つです。請求書は、商品やサービスの提供後に顧客に送られるものであり、支払い期日や金額の明細が含まれています。経理部門は、正確な請求書の作成と発送、未回収債権の管理を行います。債権管理には、債権の監視や支払い督促の管理、債権の回収などが含まれます


月次決算

月次決算とは、企業の決算を毎月行うことを指します。経理担当者は、月次決算に向けて、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿を確認し、決算書類を作成します。月次決算では、損益計算書や貸借対照表を作成し、会社の財務状況を把握します。また、税務申告書の作成も行われます。月次決算は、会社の財務状況を把握するだけでなく、課題を把握し、解決策を見つけるための重要なプロセスです。

  • 仕訳の集計と試算表の作成
  • 決算整理と調整仕訳
  • 損益計算書と貸借対照表の作成
  • 税務申告書類の準備

年次決算

年次決算とは、企業の1年間の決算を行うことを指します。年次決算では、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの決算書類を作成し、会社の財務状況を確認します。年次決算では、税務申告書の作成も行われます。経理担当者は、年次決算に向けて、毎月の月次決算を正確に行うことが重要です。年次決算では、前年度の決算書類と比較し、会社の成長状況を分析することが求められます。

 

1. 試算表の作成
・売上高、売上原価、販売費及び一般管理費などの集計
・営業利益、経常利益、税引前利益の計算
・当期純利益の算出
2. 貸借対照表の作成
・資産(流動資産、固定資産)、負債(流動負債、固定負債)、純資産の集計
・純資産の変動(資本増減や利益剰余金の計上)の反映
・資産と負債のバランスの確認
3. 利益剰余金の計算
・当期純利益の積み立てや配当の計算
・利益剰余金の振替や積立金の計上
4. 修正仕訳の処理
・過去の誤りや見落としの修正
・修正仕訳の作成と総勘定元帳への反映
5. 法定書類の作成
・有価証券報告書や内部留保報告書の作成
・監査報告書や決算公告の準備
6. 監査業務の対応
・内部監査や外部監査人との連携
・監査報告書の確認と対応
7. 税務申告書類の準備
・法人税や消費税などの申告書類の作成と提出
・税務関連の記録と資料の整理
8. 内部統制の評価
・企業の内部統制の評価と改善の提案
・リスク管理とコンプライアンスの確認
9. 会計監査への対応
・外部監査人の監査業務に対する協力
・監査のための資料の提供と説明
10. 経営層への報告
 ・年次決算の結果と財務状況の報告
 ・財務分析や業績評価の提供


決算報告書作成

決算報告書は、年次決算の結果を報告する書類であり、株主総会などで報告されます。決算報告書は、会社の財務状況や業績を分析するための重要な書類であり、経理担当者は、正確で分かりやすい決算報告書を作成することが求められます。また、決算報告書には、会社の業績に関する説明や、今後の経営戦略についての記載も必要です。

 

1. 財務諸表の作成
・貸借対照表(バランスシート)の作成:資産、負債、純資産の詳細な記載
・ 損益計算書(インカムステートメント)の作成:売上高、売上原価、営業費用、当期純利益などの明細
2. キャッシュフロー計算書の作成
・オペレーティングキャッシュフロー、インベストメントキャッシュフロー、ファイナンスキャッシュフローの計算
・現金および現金同等物の増減の詳細な記載
3. 付属情報の作成
・会社概要や主要な業績指標の説明
・重要な会計方針や会計処理の詳細な解説
・重要な注記や将来の見通しの記載
4. 内部統制の報告
・内部統制の評価結果の報告
・内部統制の問題点や改善策の記載
5. 監査報告の準備
・内部監査や外部監査人からの指摘や要求への対応
・監査報告書の内容の確認と修正
6. 法定書類の提出
・有価証券報告書や内部留保報告書の作成と提出
・監査報告書や決算公告の準備と提出
7. 経営層への報告
・決算報告書の要点の解説と説明
・財務状況や業績の評価、将来の戦略の提案


まとめ

経理担当者は、企業の健全な経営を支える重要な役割を担っています。日常業務から月次決算、年次決算、決算報告書作成、税務申告まで、多岐にわたる業務を遂行することが求められます。正確かつ効率的な業務遂行が重要であり、会社の成長に大きく貢献することができます。今回の記事が、経理担当者の業務内容やプロセスについて理解を深めるお手伝いができれば幸いです。