給与のデジタル払いを導入する際には、以下の対応と注意点を考慮する必要があります。
システム的注意点
1. 決済サービスの選定: デジタル払いに適した決済サービスを、指定された資金移動業者が提供しているか確認しましょう。
安定したサービスを選ぶことが重要です。
2. 労働基準法施行規則の遵守: デジタル払いへの切り替えに際しては、労働者に周知徹底と承諾を行う必要があります。
具体的には、デジタル払いの方法や利用手続き、口座残高の確認方法などを詳しく説明し、労働者の同意を得る必要があります。
3. 負担増加の配慮: 労働者への負担を増やさないように注意しましょう。
振込手数料など、追加費用が発生しないようにすることが大切です。
4. システムの導入とセキュリティ対策: 給与情報や個人情報を扱うため、十分なセキュリティ対策を行う必要があります。
システムの導入前には、セキュリティ対策を徹底し、システムの安定性を確保するための対策を講じることが必要です。
労働者の個人情報の漏洩などによるトラブルを避けるためにも、セキュリティを重視しましょう。
以上の注意点を踏まえて、給与のデジタル払いを導入する際には、しっかりと対策を講じることが重要です。
労働者の不安やリスクを最小限に抑えるためにも、適切な対応を行いましょう。
労働者に対する注意点
労働給与のデジタル払いを導入する際には、以下の点に注意して準備と対応を行いましょう。
(1)労働者側との労使協定の締結 労使協定を締結する際には、労使間の交渉を行います。
労働組合が存在する場合は、労働組合との交渉を行い、労働者の代表者を選出して交渉を進めます。
労働基準法の施行規則に基づき、労使協定には必要な事項を適切に定めることが重要です。
(2)労働者への説明と同意の取得 労使協定が締結された後は、労働者への説明を行い、彼らの同意を得るプロセスに入ります。
指定資金移動業者が講じる以下の措置について、労働者に対して分かりやすく説明する必要があります。
- デジタル払い用口座の残高が100万円を超えないようにする措置
- 残高の払い戻しが困難になった場合に、残高全額を保証する仕組み
- 不正出金などの損失を補償する仕組み
- 最後の入出金日から最低10年間は残高を払い戻せること
- 1円単位での入出金が可能であること
- 現金での残高の払い戻しが可能であり、最低1回は手数料なしで払い戻せること
労働者が正しく理解できるように、わかりやすい表現で説明し、同意書面に説明内容についての了解を記載させます。
(3)個別同意の取得とデジタル払いの開始 デジタル払いの対象となる労働者に対して、デジタル払いについて個別に説明し、同意を得てから給与のデジタル払いを開始します。
労働者には同意書面を提出してもらい、デジタル払いに同意したことを証明します。
労働基準法に準拠した形で、同意書面等を作成するためには、弁護士に依頼することをおすすめします。