◆インフレとデフレのメリットとデメリット:それぞれの現象について、消費者、企業、政府、借金を抱えている人などにどのような影響があるのか?

◆インフレとデフレのメリットとデメリット:それぞれの現象について、消費者、企業、政府、借金を抱えている人などにどのような影響があるのか?

インフレとデフレにはそれぞれメリットとデメリットがあり、消費者、企業、政府、借金を抱えている人などに影響を与えます。中央銀行は物価の変動を抑えるために、金融政策を実施しています。また、スタグフレーションとは、不況の時に物価が上がり続ける現象であり、コロナ禍においても発生する可能性があるとされています。

 
この記事はこんな方におすすめ!

・経済に興味のある人
・インフレ・デフレのメリットとデメリットを知りたい人
・中央銀行の金融政策について知りたい人

インフレとデフレとは

「インフレーション(インフレ)」とは、物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けることを指します。つまり、同じ金額で買えた品物が今後は高くなってしまうため、消費者にとってはデメリットがあります。しかし、企業や政府にとっては、経済活動が増え、景気が良くなる可能性があります。また、借金を抱えている人にとっては、借金が減るためメリットがあります。

 

一方、「デフレーション(デフレ)」は、物価が下がり続けて、お金の価値が上がり続けることを意味します。つまり、同じ品物が今後は安くなってしまうため、消費者にとってはメリットがあります。しかし、企業や政府にとっては、景気が悪化し、不況に陥る可能性があります。また、借金を抱えている人にとっては、借金が増えるためデメリットがあります。

 

どちらの現象も、メリットとデメリットを持ち合わせています。経済の状況によって、どちらの現象が起こるかは変わってきますが、消費者、企業、政府、借金を抱えている人など、それぞれに影響が出ることを忘れずに考えていく必要があります。


インフレのメリットとデメリット

インフレは、好況の時に発生し、需要が供給を上回ることによって引き起こされます。

 

モノの価格が上がるため、消費者は「安いうちに買おう」という心理によって買い物を先延ばしにせず、積極的に消費するようになります。

 

その結果、企業の売上が増えるため利益が改善され、従業員の給料も上昇するなど、社会経済が活性化することが期待されます。

 

しかし、インフレにはデメリットも存在します。

 

それは「お金の価値が下がる」ということです。

 

1円の価値が下がれば、長期間にわたって貯めてきた貯蓄の価値も下がってしまいます。

 

例えば、200万円の車を買うために200万円貯めたとしても、インフレによって車の価格が300万円に上がってしまえば、目標の車を購入することはできなくなります。

 

このように、お金の価値の下落がインフレのデメリットと言えます。

 

特に現金や固定金利の定期預金、債券などはインフレリスク(インフレによる価値下落のリスク)に弱い傾向があるため、十分に理解しておくことが重要です。


デフレのメリットとデメリット

デフレは、不況期に起こります。需要が供給を下回るため、価格が下がる状態になります。その結果、消費者は「もう少し待てばさらに安くなるのではないか」という心理により、買い控える傾向が生まれます。

 

しかし、買い控えによって需要が低下すると、企業は売り上げが減少するため、生産量を減らし、従業員を解雇するかもしれません。このような結果によって、経済活動が低迷する可能性があります。また、デフレには、物価が安くなるため、消費者が長期的に見ても買い控えることがあります。これは、経済活動を長期的に低迷させる可能性もあります。


スタグフレーションってなに?

企業は売上が上がらず、利益が減少しているため、従業員への報酬を減らしたり、設備投資を減らすなどの対策を取る必要があります。
その結果、社会にお金が回らなくなり、景気が悪化してしまいます。

 

このような状況を「デフレスパイラル」と呼びます。
一方で、物価が下がるとお金の価値が上がります。
つまり、同じ金額のお金でも買えるものが増えるということです。

 

これは貯蓄をしている人にとっては良いことですが、借金をしている人にとっては困難な状況を引き起こします。
なぜなら、借りたお金の価値が上がってしまうので、返済がますます困難になるからです。
そこで、中央銀行は物価の変動を抑えるために、さまざまな金融政策を実施します。

 

具体的には、「公開市場操作」と呼ばれる手法などを使って、物価の安定を図り、適正な状態に保つことを目指しています。
また、もう一つ注目すべき経済現象として「スタグフレーション」があります。
スタグフレーションとは、景気後退時においてもインフレが同時に進行してしまう現象のことです。
つまり、不況の時に物価が上がり続け、お金の価値が下がってしまうという非常に厳しい経済状況です。

 

例えば、景気が停滞して需要が減少している状態において、原油価格の高騰などが原因となって物価が上昇することがあります。
1970年代のオイルショックがその代表例です。
現在、コロナ禍においてもデフレが予想されるが、輸入価格の高騰や物流コスト増大など、インフレ要因が存在しています。
そのため、コロナ禍による物流の停滞が原因で航空貨物運賃が急騰した際には、スタグフレーションが発生するのではないかと心配する声もありました。

 

今は少しずつ航空貨物運賃が下がる傾向にあるものの、それでもスタグフレーションが起こる可能性については完全に排除されていません。