◆会社の車の車検管理ってどうしたらいいの?気が付かないで車検切れの車に乗らないようにするには…

◆会社の車の車検管理ってどうしたらいいの?気が付かないで車検切れの車に乗らないようにするには…

会社で保有している車の車検管理は非常に重要な仕事ではありますが、軽視される事が多く、うっかり車検が切れそうになって慌てて車検するという事が多々あります。
そういった事を防ぐために車の車検日の管理方法をご紹介します。

 
この記事はこんな方におすすめ!

・企業の車両管理担当者
・車両管理部門の責任者
・車両保有企業の経営者や経営幹部
・車両点検・整備担当者
・コンプライアンス担当者

車検切れの車に乗るとどうなるの?

車検の切れた車を運転することは「無車検運行」と呼ばれており、道路運送車両法の違反となり罰則が設けてあります。
「無車検運行」の罰則は下記の通りとなります。

 

【無車検運転の罰則と罰金・違反点数】
違反点数:6点
罰則と罰金:6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金
行政処分:免許停止

 

尚、一般的に「自動車損害賠償責任保険」に加入することが義務づけられています。
自賠責保険切れにもかかわらず、自動車を運転した場合は「無保険運行」にあたり、自動車損害賠償保障法の違反となり、処罰の対象となります。

 

【自賠責保険切れ運転の罰則と罰金】
違反点数:6点
罰則と罰金:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分:免許停止

 

一般的にはこの「自動車損害賠償責任保険」は車検に併せて入っていることが多く、車検が切れているとこの自賠責保険も切れている可能性が高くなります。
では「無車検運行」と「無保険運行」の双方を違反した場合にはどうなるのでしょう
道路交通法施行令では、2つ以上の違反行為をしたときは、最も高い違反点数が適用されて同じ点数の場合はその点数が付加されます。
また刑法併合罪47条では、2つ以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、重い方の刑期の1.5倍が適用されます。
さらに罰金についても刑法併合罪48条で2つの罰金の合計以下が科せられます。

 

つまり…
【無車検運行と無保険運行の双方に違反した場合の罰則と罰金】
違反点数:6点
罰則と罰金:1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金
行政処分:免許停止

 

…となります。


うっかり車検を忘れてしまう…を防ぐには?

うっかり車検を忘れてしまう典型的な例としては、「そもそも誰も管理していない」もしくは「一人で車検期日を管理している」という会社に多く見受けられます。
そもそも会社の車の車検管理をしていないのは論外ですが、一人に任せた場合でも、その一人がミスをしたら車検切れになってしまい、前述した罰則が科せられる可能性があります。

 

車検切れにならないようにするためには「複数の視点」から車検満了日に気を配る事が重要です。
この複数の視点というのは、「車に乗る人の確認」「事務所での確認」「外部からの確認」です。

 

このように複数の視点から車検が切れないように確認することで、より車検切れを防ぐ事ができます。そしてこれらの事を会社としてシステム化することにより、1つのミスや想定外の出来事があっても車検が切れた車に社員を乗せる事を防ぐ事につながります。


具体的な防止策について

先程、うっかり車検を忘れてしまう事を防ぐには「車に乗る人の確認」「事務所での確認」「外部からの確認」をするという話をさせて頂きましたが、具体的にはどのようなことを行うかを考えてみましょう。

 

車に乗る人が確認する

単純な話ですが、車に乗る人が運転の前に車検日を確認することで未然に車検切れの車に乗ることを防ぐ事ができます。
しかしこの運転する前に車検証を確認するという動作を習慣的に行うというのはなかなかできる人がいません。
仮に1度「運転する前に車検日の確認を毎回するように」と言っても継続的に車検日を確認する人は少ないです。

 

都度車検日を確認する習慣をつけるにはどうしたらいいか…
具体的な方法としては下記の通りとなります。

 

運転席の見えるところに注意書きをする。
テプラやラベルシールなどで「運転前には車検日の確認をすること」などの注意書きを張っておくことによって運転者に車検日を確認するという事を自覚させる。

 

運転日報をつける

運転日報に車検日を記載する箇所を設ける事で車検日を確認することにつながります。

 

管理者が運転者に時折、車検日の質問をする。

「今日乗った車の車検日はいつでした?」という質問を運転者にすることで車検日を確認しているか否かを確かめる事ができます。また定期的に行う事で運転者に「質問されるから確認しなくては…」と意識して車検日を確認するようになります。

 

事務所で管理する

 会社で保有する車両の車検日を管理する方法はいくつかあるのでご紹介します。

 

カレンダーを活用する。

カレンダーに1年間分の車検満了日を記載して管理する方法があります。
この際に車検日とは別に車検が受けられる日も併せて記載しておくとよいでしょう。
車検は車検満了日より1か月前から受けられることができるので、車検満了日を赤字、1か月前の日にちを青字というように書き分けしておくと便利です。

 

車検証のPDFファイルのタイトルに車検日を入れる。

車検証をPDFなどでパソコンに保管しているのであれば、そのタイトルに車検日を入れる事で車検日の確認をすぐに行う事ができます。
またフォルダ内の並べ替えを行う事で車検日順にPDFファイルを並べる事もできるので、車検スケジュールを立てる時にも役に立ちます。
この際、車検日はファイルタイトルの文頭にするとしっかりと並びます。
【例】
「20XX年01月01日 〇〇 500 あ 0001」
「20XX0101 〇〇 500 あ 0001」…など

 

車検証の定期点検

一定の期間を設けて車検満了日の点検を行うのも有効です。
例えば月が変わった時に全車両の車検証を点検して車検が受けられる車の車検の手配をすることにより車検切れを防げます。加えて車検証の紛失などの予防にもなります。

 

車検管理業者

 車検を請け負ってくれる業者には車検日管理をサービスで行っているところがあるので、そういったサービスを活用するという方法があります。また車検日が近くなるとはがきでお知らせしてくれる業者もありますので、そういった業者を活用するのも有効です。


まとめ

車の車検は車種や車両によって車検期間や車検日が異なり、その上頻繁に行う物ではないので忘れがちになってしまう物ですが、うっかり車検が切れた車を乗ることは非常にリスクを伴う事となります。

 

そういったうっかり車検が切れてしまう事がないように車両の管理を徹底して行う事が重要です。

 

また車両管理は一人に任せるのではなく社内全体で意識を持つことが大事です。
社員一人一人が車検に対してしっかりと意識を持つことで車検切れを防ぐ事ができます。